第4回:民間搬送サービスの具体的な流れと対応
精神疾患患者の搬送を民間サービスに依頼するのは初めて、という方も多いかもしれません。
不安を少しでも軽くするため、今回は民間搬送サービスの利用の流れと、搬送時の具体的な対応について詳しくご紹介します。
搬送の予約から実施までの流れ
民間搬送サービスでは、事前の準備を非常に重視しています。
一般的な流れは次のとおりです。
1. 問い合わせ・相談
まずは電話やメール、ラインで相談します。
この時点では「搬送すべきかどうか迷っている」段階でも問題ありません。
【相談内容の例】
本人の病状や生活状況
家族だけで搬送できない理由
希望する搬送先(病院、施設など)
2. 詳細なヒアリング・打ち合わせ
搬送を正式に依頼する前に、詳しい打ち合わせを行います。
【ヒアリング項目】
保健所、市役所、かかりつけクリニック、警察、消防との情報共有状況
現在の症状や病歴
暴れたりパニックになるリスク
受診・搬送に対する本人の反応予想
家族の希望や不安点
搬送当日の段取り(時間、場所、スタッフ人数など)
これにより、搬送計画を具体的に立てていきます。
3. 搬送日の決定・準備
搬送日を決定し、必要な準備を行います。
たとえば…
・受け入れ先病院との事前連絡
・ストレッチャーや車いすなどの用意
・必要に応じて看護師や複数スタッフを手配
これにより、当日の混乱を最小限に抑えます。
搬送時のスタッフの対応や配慮
搬送当日は、経験豊富なスタッフが次のような対応を行います。
穏やかな声かけと誘導
「少し休みに行きましょうね」
「リラックスして大丈夫ですよ」
といった不安を和らげる声かけを基本とします。
本人に「搬送される」という意識を持たせず、自然な流れで移動を促します。
安全第一の搬送対応
搬送車両は外部から中が見えにくいように必要に応じて配慮
必要に応じて、ドアロックなどで安全確保
万が一のパニックや体調変化にも即座に対応できる体制
本人の尊厳を守りながら、安全に目的地までお連れします。
家族へのサポート
同乗希望があれば、家族も一緒に車内に乗ってもらう
家族への安心感を大切にし、状況を逐一報告
必要ならスタッフが本人との間に立ち、家族を精神的に支える
家族も搬送の一員として尊重しながら、無理のない形で関わってもらいます。
搬送後のフォローアップ
搬送して終わりではありません。
民間搬送サービスでは、搬送後にも家族へのサポートを続けます。
病院・施設での引き渡し
到着後は、受け入れ先の医療機関・施設スタッフへスムーズに引き継ぎます。
本人の状態や搬送中の様子をきちんと申し送りし、次のケアへつなげます。
家族への報告・相談対応
搬送が完了したら、家族に対しても結果報告を行います。
無事に搬送できたことの確認
今後の流れについての簡単な説明
追加で不安があれば相談に乗る
搬送後の心配を少しでも減らし、家族が安心できるよう配慮します。
まとめ
民間搬送サービスでは、
・事前の丁寧な打ち合わせ
・本人に寄り添った穏やかな搬送対応
・搬送後まで見据えたサポート
を大切にしています。
精神疾患患者の搬送に悩んだときは、まずは気軽に相談してください。
一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが、患者本人と家族双方にとって最善の選択肢となるでしょう。
(次回予告)
次回はいよいよ最終回、民間搬送サービスを利用する際の注意点と選び方についてお届けします!
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