第5回:民間搬送サービスを利用する際の注意点と選び方
精神疾患患者の搬送は、ご家族にとって非常に大きな判断です。そのため、信頼できる民間搬送サービスを慎重に選ぶことがとても重要になります。
今回は、民間搬送サービスを利用する際のポイントと注意点について、実践的な視点からご紹介します。
信頼できるサービス業者の選び方
まず大切なのは、「安心して任せられる業者」を見極めることです。以下のポイントを参考にしてください。
1.精神疾患搬送の実績があるか
精神疾患に関する知識や経験が豊富であることは、対応の確実さに直結します。「精神科搬送に特化している」「実績多数」と明記されている業者が安心です。
2.スタッフの資格・研修体制
看護師資格や精神科領域の研修受講歴、緊急時の対応マニュアルの有無などを確認しましょう。
3.相談への丁寧な対応
初めての方の不安に寄り添い、丁寧に話を聞いてくれる業者かどうかも重要な判断材料です。
事前に必要な行政・医療機関との連携
民間搬送サービスを依頼する前に、行政機関に事前相談をしておくことをおすすめします。
たとえば、
・管轄の保健所
・市町村の障害福祉課や地域包括支援センター
などです。必要に応じて助言や支援を得ることで、搬送の進行が円滑になります。
また、かかりつけのクリニックや受診予定の医療機関とも、あらかじめご家族が調整しておくことが重要です。搬送業者側で医療機関との直接的な連絡や入院調整を行うことは難しいため、この点は事前にご理解ください。
診察後、必ずしも入院になるとは限らない
もう一点、重要な注意点として、搬送後の診察結果により、必ずしもそのまま入院になるとは限らないという点があります。
症状が比較的安定していると判断された場合には、自宅療養が継続されることもあります。搬送=即入院というわけではないことを、事前に認識しておくと安心です。
料金やサービス内容の確認も忘れずに
民間搬送は公費の対象外であることが多く、料金体系についての確認が欠かせません。
・基本料金と追加料金の内訳
・距離や時間による加算
・階段や夜間対応などのオプション費用
・キャンセル料の規定
また、スタッフ人数や設備、家族の同乗可否など、「どこまでが料金内に含まれているか」をしっかり確認しましょう。
まとめ
民間搬送サービスを安心して利用するには、
・実績と専門性のある業者を選び
・行政や医療機関との事前調整を行い
・入院が確約されているわけではないことを理解し
・料金・サービス内容の詳細を事前に確認する
ことが大切です。
不安なことがあれば、まずは相談から始めてみてください。家族だけで抱え込まず、適切な支援につなげることが、患者本人にとっても最善の道となります。
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(シリーズ完結)