第1回:精神疾患患者の搬送における民間サービスの役割とは?
精神疾患患者の搬送は、家族や医療機関にとって大きな課題の一つです。
本人の拒否や混乱を伴うことも多く、通常の交通手段や公的な救急搬送では対応が難しいケースも少なくありません。
今回は、精神疾患患者の搬送における民間サービスの役割と、その重要性について詳しく解説します。
精神疾患患者の搬送に関する課題
精神疾患を抱える方の中には、自発的に受診や入院を希望せず、家族の呼びかけにも応じない場合があります。
特に以下のような状況では、安全な搬送が困難となりがちです。
・受診・入院に対して強い抵抗を示す
・興奮や混乱、幻覚・妄想による行動異常が見られる
・長期の引きこもりや、外出への極度の不安がある
このようなケースで無理に移動を試みると、本人が暴れてけがをしたり、家族が巻き込まれるリスクが高まります。
また、一般的なタクシーや公共交通機関では、途中で混乱が起きた場合の対応ができないため、搬送を断られることもあります。
さらに、119番通報による救急車は、自傷他害がない精神疾患患者を本人の同意なしに搬送することは非常に難しいです。
民間搬送サービスの特徴と利点
このような現状を踏まえ、近年注目されているのが精神疾患患者専門の民間搬送サービスです。
民間搬送サービスには、以下のような特徴と利点があります。
1. 精神疾患への専門的な対応
民間搬送サービスでは、精神疾患の症状や特性を理解したスタッフが対応にあたります。
本人に不安を与えず、必要以上に刺激をしないコミュニケーション技術を駆使し、落ち着いた搬送を心がけます。
2. 事前の綿密なヒアリングと計画
搬送前に家族や関係者から詳しい状況を聞き取り、本人の状態に応じた最適な搬送方法を計画します。
搬送当日は、本人の気持ちに配慮した声かけや、最小限の介助でスムーズな移動を目指します。
3. 安全性とプライバシーへの配慮
専用車両を使用することで、周囲の目を気にせずに搬送でき、患者本人の尊厳を守ることができます。
サイレンや派手なマーキングがない車両で、必要に応じて家族も同乗できる体制を整えています。(基本的には同乗はお断りしています)
4. 家族の負担軽減
「どうやって病院まで連れていけばいいのか」と悩む家族にとって、民間搬送サービスは大きな支えになります。
家族だけでは対応しきれない搬送を、専門スタッフが安全に代行することで、心身の負担を軽減します。
まとめ
精神疾患患者の搬送には、専門的な配慮と安全確保が欠かせません。
民間搬送サービスは、患者本人の尊厳を守り、家族の不安を軽減しながら、安心して医療機関へつなげる大切な役割を担っています。
患者本人の尊厳と家族の意向に配慮しながら、安全に移送を行います。
「本人が病院へ行きたがらない」「家族だけでは連れていけない」とお悩みの方は、ぜひ一度、精神科搬送に対応した民間搬送サービスを検討してみてください。
(次回予告)
次回は、民間搬送サービスの利用が必要な具体的ケースについて詳しくご紹介します!
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