― 医療的ケアが必要な方のための備えと支援 ―
医療的ケアが必要な方にとっての「防災」とは
地震・台風・豪雨などの自然災害は、
すべての人にとって脅威ですが、医療的ケアが必要な方にとっては、
日常生活そのものが維持できなくなるリスクを伴います。
人工呼吸器、在宅酸素、吸引、医療機器の使用、
自力での移動が困難な状態――
これらは、停電・断水・避難の遅れが命に直結する可能性を意味します。
そのため、防災は「非常時の対応」だけでなく、
平時からの準備と体制づくりが極めて重要です。
医療的ケア利用者が災害時に直面する主な課題
医療的ケアが必要な方や、支援する施設では、
災害時に次のような課題が生じます。
- 停電による人工呼吸器・医療機器の停止
- 酸素・吸引機器の使用継続が困難になる
- 避難所での医療的配慮が不足する
- 車いす・ストレッチャー利用者の避難手段が確保できない
- 職員が「どう動けばよいか分からない」状態に陥る
これらは、個人の努力だけでは解決できない課題です。
平時から考えておくべき防災のポイント
防災対策は、特別なことをする必要はありません。
日常業務の延長線上で、次のような点を整理しておくことが重要です。
① 医療的ケアと電源・物資の確認
- 人工呼吸器・吸引器・酸素機器の電源確保
- バッテリー稼働時間の把握
- 予備物品・医療材料の備蓄
② 医療情報の見える化
- 医療情報シート（設定・主治医・連絡先）
- 利用者ごとの支援レベル整理
- 職員間で共有できる情報の整備
③ 避難の考え方の整理
- 自施設での垂直避難が可能か
- 早期避難が必要な利用者は誰か
- 避難時に「誰が」「何を」「どこへ」行うか
災害時の「避難」は計画がすべて
医療的ケアが必要な方の避難は、
その場の判断だけで安全に行えるものではありません。
- 搬送手段の確保
- 医療的ケアを継続できる体制
- 職員の役割分担
これらを、事前にシミュレーションしておくことが不可欠です。
特に施設では、
「災害時に誰が指揮をとるのか」
「外部にどこまで支援を求めるのか」
といった点を明確にしておく必要があります。
眞心ライドが一緒に考える防災・災害時支援
眞心ライドでは、
医療的ケアが必要な方や、
その方々を支える施設・事業所向けに、防災・災害時支援について一緒に考える取り組みを行っています。
主な支援内容（例）
- 医療的ケア利用者を想定した防災・避難の整理
- 災害時の役割分担・初動対応の確認
- 搬送・移動が必要になった場合の考え方
- 職員向け防災・避難講習（座学・事例検討）
※内容は、施設の規模・利用者像に応じて調整します。
施設向け防災講習・勉強会のご案内
医療的ケア利用者を受け入れている施設では、
「何となく不安はあるが、どこから手をつけてよいか分からない」
という声を多く耳にします。
眞心ライドでは、
医療・搬送・防災の視点を踏まえた施設向け講習を通じて、
現場で「使える防災」を一緒に整理します。
講習の特徴
- 専門用語を噛み砕いた分かりやすい内容
- 実際の災害・搬送事例を踏まえた検討
- 「自施設の場合どうするか」を考える参加型形式
おわりに
防災は、
「起きてから考えるもの」ではなく、
**「起きる前に、少しずつ整えていくもの」**です。
医療的ケアが必要な方が、
災害時にもできる限り安全に過ごせるよう、
平時から一緒に考えていくことが大切だと考えています。
防災・災害時支援についてのご相談や、
施設向け講習のご希望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。