夏のロケ撮影で多い熱中症・脱水|制作現場でできる現実的な対策とは

夏場のロケ撮影では、
「気をつけていたはずなのに体調不良が出た」
というケースが少なくありません。

特に屋外ロケや長時間撮影では、
出演者・スタッフともに身体への負担が大きく、
熱中症や脱水は最も起こりやすいトラブルの一つです。

本記事では、夏の撮影現場で起こりやすい熱中症・脱水の特徴と、
制作現場で実際に取り入れやすい対策について整理します。


夏のロケ撮影が特に危険な理由

高温多湿・直射日光という環境

夏のロケ撮影では、
気温の高さに加えて湿度や直射日光の影響を受けやすくなります。
アスファルトやコンクリートの照り返し山間部での撮影によって、
体感温度が想像以上に上がることもあります。

長時間撮影と休憩不足

撮影スケジュールの都合上、
「もう少しだけ」「次のカットまで」と休憩が後回しになると、
体内の水分・塩分が徐々に失われていきます。

衣装・機材による負荷

衣装や装備、撮影機材の影響で、
体温調節がしにくくなることも少なくありません。
とくに防寒性の高い衣装や、動きの多い撮影では注意が必要です。

撮影現場で起こりやすい夏の体調トラブル

熱中症の初期症状

夏ロケでは、以下のような症状がよく見られます。

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 倦怠感

初期症状の段階では軽く見られがちですが、
放置すると急激に悪化することがあります。

脱水症状

「水は飲んでいるつもり」でも、
汗とともに失われる塩分が補えていないと脱水が進みます。
集中力の低下や判断ミスにもつながります。

体調不良の見逃し

撮影現場では、
「迷惑をかけたくない」「我慢できる」と無理をする人も多く、
症状が表に出にくいことも特徴です。


制作現場でできる基本的な熱中症対策

水分・塩分補給を“仕組み化”する

個人任せにせず、

  • 定期的な声かけ
  • 塩分補給の準備
    など、現場としてのルール化が重要です。

休憩・待機環境の整備

日陰や冷房の効いた待機場所を確保するだけでも、
体への負担は大きく変わります。
短時間でも「しっかり休める場所」があるかどうかが重要です。

体調確認のタイミングを決める

撮影の合間に、
「大丈夫ですか?」と一声かけるだけでも、
体調不良の早期発見につながります。


医療スタッフがいる場合といない場合の違い

症状の見極めと判断

医療スタッフが現場にいることで、
「様子を見るべきか」「休ませるべきか」「医療機関につなぐべきか」を
医学的な視点で判断できます。

初動対応と重症化の予防

冷却・水分補給・安静など、
症状に応じた初期対応を早期に行うことで、
重症化のリスクを下げることが可能です。

救急要請の判断タイミング

迷いがちな119要請についても、
状態を評価したうえで適切な判断ができるため、
現場の混乱を抑えることにつながります。


まとめ|夏ロケでは「起きる前提」で備える

夏のロケ撮影における熱中症や脱水は、
注意していても起こり得るトラブルです。

だからこそ、

  • 環境
  • スケジュール
  • 人員体制

を踏まえたうえで、
「起きたときにどう対応するか」まで含めた備えが重要になります。

制作現場ごとの条件に合わせ、
現実的な対策と体制づくりを検討することが、
安全でスムーズな撮影につながります。

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